andとorの違いは?意味が変わる場面ごとの使い分けを解説

英語の「and」と「or」は中学校で最初に習う接続詞ですが、否定文や命令文に入った途端に意味が逆転するなど、上級者でも間違えやすいポイントが数多くあります。

実際、大学入試やTOEICでもandとorの使い分けは頻出テーマであり、感覚だけで解こうとするとケアレスミスにつながりがちです。

この記事では、andとorの基本的な意味の違いから、文の種類によって意味が変わる仕組みまでを場面ごとに整理しました。

  • 肯定文・否定文・命令文でandとorの意味がどう切り替わるか
  • 主語をつないだときの動詞の形(単数・複数)の決め方
  • 試験や日常会話で使える頻出例文と練習法

最後まで読めば、andとorの使い分けに迷う場面が大幅に減るはずです。

目次

andとorの違いと意味が変わる場面

andとorはどちらも語句や文をつなぐ等位接続詞ですが、つなぎ方の性質がまったく異なります。

andは「AもBも両方」を示し、orは「AかBのどちらか一方」を示すのが基本ルールです。

ただし、この基本ルールがそのまま当てはまるのは肯定文だけで、否定文や命令文では意味の関係がずれたり逆転したりするため、文の種類ごとに整理しておく必要があります。

文の種類andor
肯定文AもBも(両方)AかBか(どちらか)
否定文両方同時には…ない(部分否定になりやすい)どちらも…ない(全否定)
命令文のあとそうすれば〜さもないと〜

以下では、まず肯定文での基本イメージを確認したうえで、否定文・命令文・主語接続で意味が変わる仕組みを概観します。

基本は「両方」か「どちらか」

肯定文におけるandとorの違いはシンプルで、andが「AとB両方」、orが「AまたはBのどちらか」を表します

たとえば “I like coffee and tea.” と言えばコーヒーも紅茶も両方好きという意味になり、”I like coffee or tea.” と言えばどちらか一方が好きだという意味に変わります。

この「両方/どちらか」というコアイメージは、名詞だけでなく形容詞や動詞、節をつなぐ場合にも共通して働きます。

  • “She is kind and smart.”(彼女は優しくて賢い=両方の性質を持つ)
  • “You can sit here or there.”(ここかあそこに座れる=どちらか一方を選ぶ)
  • “He studied hard and passed the exam.”(一生懸命勉強して試験に受かった=2つの出来事が両方起きた)

andは集合を「足し算」するイメージ、orは集合を「選択肢として並べる」イメージだと捉えると、応用的な場面にも対応しやすくなります。

否定文・命令文・主語の接続で意味が変わる

肯定文では直感的に使えるandとorも、文の種類が変わると意味の関係が入れ替わることがあります。

否定文では「or=全否定」「and=部分否定」というパターンが生まれ、命令文のあとに続く場合は「and=そうすれば」「or=さもないと」と、肯定文の印象とはまるで逆の働きをします

さらに、主語をandやorでつないだときには動詞の単複が変わるため、三単現のsを付けるかどうかにも影響が及びます。

「等位接続詞は語・句・節を対等の関係でつなぐ。and, or, butなどがこれにあたる。」

※引用元:文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」

この先の各セクションでは、否定文・命令文・主語接続の3つの場面に分けて、andとorの意味がどう切り替わるかを具体的に見ていきます。

否定文ではandとorの意味が変わる

否定文でandとorを使うと、肯定文とは意味の範囲が変わります。

肯定文では「or=どちらか一方」だったのが、否定文に入ると「or=どちらも…ない(全否定)」に変化し、「and=両方同時には…ない(部分否定)」になるのが典型的なパターンです。

この切り替わりはド・モルガンの法則と呼ばれる論理学のルールで説明でき、数学の集合論とも対応しています。

否定文の形意味否定の範囲
not A or BAもBもどちらも…ない全否定
not both A and BAとB両方とも…というわけではない部分否定
neither A nor BAもBも…ない(not A or Bと同義)全否定

否定文のandとorを混同すると、英文の意味を正反対に取り違えてしまうため、それぞれの仕組みを確認しておきましょう。

I don’t like A or Bが「両方好きじゃない」になる仕組み

“I don’t like coffee or tea.” という文を見ると、orがあるので「コーヒーか紅茶のどちらかが好きではない」と読みたくなるかもしれません。

しかし実際には「コーヒーも紅茶もどちらも好きではない」という全否定の意味になります。

これは、notの否定がorでつながれた要素すべてに波及するためです。

  • “I don’t eat meat or fish.” → 肉も魚もどちらも食べない
  • “She didn’t call or text me.” → 電話もメールもどちらもしてこなかった
  • “He can’t read or write French.” → フランス語を読むことも書くこともできない

この全否定の表現は “neither A nor B” で書き換えることもでき、”I like neither coffee nor tea.” のように表現するとフォーマルな印象を与えます。

否定文でorが出てきたら、選択ではなく「全部まとめて否定している」と読むのがポイントです。

not both A and Bの部分否定に注意

一方、否定文にandが使われると部分否定になるケースがあります。

“I don’t like both coffee and tea.” は「コーヒーと紅茶の両方が好きというわけではない」という意味であり、どちらか一方は好きである可能性を残しています

全否定(どちらも好きではない)と部分否定(両方ではない)の違いは、英文読解でも英作文でもミスが起きやすい部分です。

英文意味否定の種類
I don’t like coffee or tea.コーヒーも紅茶もどちらも好きではない全否定
I don’t like both coffee and tea.両方好きというわけではない(片方は好きかもしれない)部分否定

bothが入ることで否定の範囲が「両方同時」に限定され、個々の要素に対する否定は含まない、という構造になっています。

英語では「not … both」の組み合わせを見たら部分否定を疑い、「not … or」や「neither … nor」なら全否定と判断する、という読み方を習慣にしておくと誤読を防げます。

命令文のあとではandとorの意味が逆になる

命令文のあとにandまたはorを続けると、肯定文や否定文とはまったく異なる意味が生まれます。

「命令文, and …」は「そうすれば〜」、「命令文, or …」は「さもないと〜」という条件・結果の関係を表し、接続詞の選択によって結末がポジティブにもネガティブにもなります。

この用法はif文への書き換えが可能で、高校英文法や入試問題で頻繁に出題されるテーマです。

  • 命令文 + and → 「そうすれば〜」= if you do …, you will 〜
  • 命令文 + or → 「さもないと〜」= if you don’t …, you will 〜

以下では、andとorそれぞれの場合を例文付きで確認していきます。

命令文+andは「そうすれば」

「命令文, and + 結果」の形は、命令に従った場合に良い結果が得られることを示します。

“Study hard, and you will pass the exam.”(一生懸命勉強しなさい、そうすれば試験に受かるよ)のように、前半が条件、後半がその報酬や自然な帰結を述べる構造です。

このandは「加えて」という本来の意味が発展したもので、「命令を実行する→その結果が加わる」という流れで理解できます。

  • “Get up early, and you will feel refreshed.”(早く起きなさい、そうすれば気分がすっきりするよ)
  • “Practice every day, and your English will improve.”(毎日練習しなさい、そうすれば英語が上達するよ)
  • “Be honest, and people will trust you.”(正直でいなさい、そうすれば人から信頼されるよ)

if節に書き換えると “If you study hard, you will pass the exam.” となり、意味は同じですが命令文+andの方が会話では簡潔で力強い印象を与えます。

命令文+orは「さもないと」

「命令文, or + 結果」の形は、命令に従わなかった場合の悪い結果を警告するニュアンスを持ちます。

“Hurry up, or you will miss the train.”(急ぎなさい、さもないと電車に乗り遅れるよ)のように、前半の行動を取らなければ後半の望ましくない事態が起きる、という構造です。

orの「どちらか一方」という本来の意味から、「命令を実行するか、さもなくば悪い結果を受け入れるか」という二者択一のイメージが読み取れます。

命令文+and / or例文if節への書き換え
命令文, and …Study hard, and you will pass.If you study hard, you will pass.
命令文, or …Study hard, or you will fail.If you don’t study hard, you will fail.

if節に書き換える際、orの場合はifの中にnotが入る点を押さえておくと、試験での書き換え問題にも対応しやすくなります。

主語をandやorでつないだときの動詞の形

andやorが主語の位置に来ると、動詞を単数形にするか複数形にするかという文法的な問題が発生します。

andでつないだ主語は複数扱い、orでつないだ主語は動詞に近い方の名詞に合わせるのが原則ですが、例外もいくつか存在します。

主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement)は英作文の採点基準で重視される項目であり、TOEICのPart 5でも定番の出題分野です。

主語接続の基本ルール
  • A and B → 複数扱い → 動詞は複数形
  • A or B → Bに合わせる → Bが単数なら動詞も単数形
  • either A or B / neither A nor B → Bに合わせる

それぞれの詳しいルールと注意点を、以下で確認しましょう。

A and Bは複数扱いが基本

andで2つの名詞をつなぐと「A+B=2つ以上」となるため、動詞は原則として複数形を使います。

“Tom and Jerry are good friends.” のように、主語が2人・2つ以上ならbe動詞はareを選び、一般動詞なら三単現のsを付けない形にするのが基本ルールです。

ただし、A and Bが1つのセットとして認識される場合は単数扱いになる例外があります。

  • “Bread and butter is my favorite breakfast.”(パンにバターは私の定番の朝食だ → 1つのセットと見なすためis)
  • “The singer and songwriter is performing tonight.”(そのシンガーソングライターは今夜公演する → 1人の人物を指すためis)
  • “Slow and steady wins the race.”(ゆっくり着実にやれば勝てる → 1つの概念と見なすためwins)

これらの例外では、theや冠詞が1つしか付いていなかったり、慣用表現として定着していたりするのが特徴です。

主語がandでつながれていても「1つのまとまり」と判断できるかどうかを意識すると、単数・複数の選択で迷いにくくなります。

A or Bは近い方の名詞に合わせる

orで主語をつないだ場合、動詞は「orの直後にある名詞(動詞に近い方)」に一致させます

“Is Tom or his parents coming to the party?” ではなく “Are Tom or his parents coming to the party?” が正しく、動詞に近い his parents が複数なのでareを使う仕組みです。

この「近接一致(proximity agreement)」のルールは、either … or … や neither … nor … でも同様に適用されます。

主語動詞に近い名詞動詞の形
Tom or his parentshis parents(複数)are
His parents or TomTom(単数)is
Either you or sheshe(三人称単数)has
Neither the students nor the teacherthe teacher(単数)was

実用上のコツとして、単数名詞と複数名詞をorでつなぐときは複数名詞を後ろに置くと、動詞が複数形になり自然に響きやすくなります

“Either the manager or the employees are responsible.” の方が “Either the employees or the manager is responsible.” よりも口語では好まれる傾向にあります。

andとorを使った頻出例文まとめ

ここまでの文法ルールを踏まえたうえで、実際に使われる頻度の高い例文を日常会話と試験対策の2つの視点でまとめます。

ルールを知識として理解していても、実際の文の中で瞬時に判断できなければ実践では役に立ちません。

例文をストックしておくことで、andとorの使い分けを反射的に処理できるようになります

  • 日常会話では短くシンプルな構造が多く、andとorの基本イメージがそのまま使われる場面が中心
  • 試験問題では否定文・命令文・主語の一致など、意味が変わる場面が意図的に問われる

以下では、それぞれの場面で役立つ例文を紹介していきます。

日常会話でよく出る例文

日常会話ではandとorが短いフレーズの中で頻繁に登場し、特に選択を促す場面や情報を付け加える場面で自然に使われます。

買い物、食事、予定の相談など身近なシチュエーションでの例文を覚えておくと、スピーキングでの反応速度が上がります。

  • “Do you want coffee or tea?”(コーヒーと紅茶、どちらにしますか)
  • “I need to buy eggs and milk.”(卵と牛乳を買わなきゃ)
  • “Are you free Saturday or Sunday?”(土曜と日曜、どっちが空いてる?)
  • “She speaks English and French.”(彼女は英語とフランス語を話す)
  • “You can call or text me.”(電話でもメールでもいいよ)
  • “Let’s eat out and watch a movie.”(外食して映画を観よう)

これらの会話表現に共通するのは、andが「追加・並列」、orが「選択」という基本の意味がストレートに反映されている点です。

まずはこうしたシンプルな例文を口に馴染ませることで、複雑な構文に入ったときにも基本イメージを軸に判断しやすくなります。

試験で狙われやすい例文

入試やTOEICなどの試験では、andとorの基本的な違いよりも「意味が変わる場面」を問う出題が目立ちます

否定文でのorの全否定、命令文+and / orの書き換え、主語の一致はいずれも定番の出題パターンであり、選択肢の中から正しい形を選ばせる問題や、同じ意味の文に書き換えさせる問題がよく出されます。

スクロールできます
出題パターン例文問われるポイント
否定+or(全否定)He doesn’t have a pen or a notebook.「どちらも持っていない」と読めるか
部分否定(not both)I don’t know both of them.「2人とも知っているわけではない」と読めるか
命令文+andWork harder, and you will succeed.If you work harder …への書き換え
命令文+orLeave now, or you will be late.If you don’t leave now …への書き換え
主語の一致Neither she nor I am wrong.動詞に近い I に合わせてamを選べるか

試験対策としては、上の表の5パターンを例文ごと暗記してしまうのが最も効率的です。

同じ構造の文が出たときに「このパターンだ」と即座に認識できれば、解答スピードも正答率も大幅に上がります。

andとorの使い分けを定着させる練習法

文法ルールを知っただけでは、実際の読解やスピーキングでandとorを正確に使い分けるのは難しいものです。

知識を「使える力」に変えるには、よくあるミスのパターンを分析し、音読やライティングで繰り返しアウトプットするプロセスが欠かせません

ここでは3つのステップに分けて、andとorの使い分けを実践的に身につける方法を紹介します。

以下で、それぞれのステップを具体的に見ていきましょう。

よくある誤用パターンから学ぶ

andとorの誤用には一定のパターンがあり、そのパターンを事前に知っておくだけで同じミスを防ぎやすくなります。

特に日本語話者が間違えやすいのは、否定文でのandとorの取り違え、命令文+orの意味の読み間違い、そしてA or Bの主語に対する動詞の形の3つです。

誤用例何が間違いか正しい形
I don’t like coffee and tea.(全否定のつもり)andだと部分否定に取られる可能性があるI don’t like coffee or tea.
Hurry up, and you’ll be late.(警告のつもり)andだと「急げば遅刻する」という意味になるHurry up, or you’ll be late.
Tom or his friends is coming.動詞に近いhis friendsに合わせるべきTom or his friends are coming.

自分がどのパターンで迷いやすいかを把握したら、そのパターンだけを集中的に練習するのが効率的です。

全体をまんべんなく復習するよりも、弱点に絞った反復の方が短期間で成果が出やすいと感じるでしょう。

短い例文の音読で感覚をつかむ

文法ルールを頭で理解したあとは、音読を通じて正しい語順やリズムを体に染み込ませるステップが有効です。

音読のメリットは、目・口・耳の3つの感覚を同時に使うことで記憶の定着率が高まる点にあります。

「声に出して読むことで,書かれた英語の意味をより深く理解する力をつけることが大切である。」

※引用元:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」

具体的なやり方としては、本記事で紹介した例文の中から1日5文を選び、各文を3回ずつ声に出して読むだけで十分です。

慣れてきたら日本語訳だけを見て英文を口頭で再現する「リプロダクション」に切り替えると、andとorの使い分けがより自動化されていきます。

1セット数分で終わるため、通勤や通学のスキマ時間にも取り入れやすい練習法といえます。

英作文でアウトプットして定着させる

音読で正しい形に慣れたら、最後のステップとして自分で英文を組み立てる練習に進みます。

英作文では「andとorのどちらを使うか」「否定文ならorにすべきか」「主語をつないだときの動詞の形は正しいか」といった判断を自分で行う必要があるため、知識の抜け漏れに気づきやすくなります

  • 日本語の短文を用意する(例「私はコーヒーも紅茶も飲まない」)
  • andとorのどちらを使うか判断してから英文にする
  • 書いた英文を本記事のルールと照らし合わせて答え合わせする

和文英訳だけでなく、自分の日常を題材に自由英作文を書くとさらに実践的です。

「昨日やったこと」をandで列挙したり、「週末の予定」をorで選択肢として提示したりと、日記感覚で続けるとアウトプットの量を自然に増やせます

andとorの違いについてよくある質問

andとorの基本ルールと練習法を確認したところで、学習者から寄せられることの多い疑問をQ&A形式で取り上げます。

3つ以上の要素を並べるときのコンマの使い方や、ビジネス・契約書での注意点など、実際に「どうするのが正しいのか」と迷いやすいトピックを集めました。

気になる項目があれば、該当の見出しをチェックしてみてください。

3つ以上並べるときのコンマはどう使う?

3つ以上の要素をandやorで並べるとき、最後のandやorの直前にコンマを打つかどうかは英語圏でも意見が分かれるポイントです。

“A, B, and C” のようにandの前にコンマを打つスタイルは「オックスフォードコンマ(Oxford comma)」または「シリアルコンマ」と呼ばれ、主にアメリカ英語の学術・出版業界で推奨されています。

一方、イギリス英語の報道機関などでは “A, B and C” のようにandの前のコンマを省略するスタイルが主流です。

スタイル表記例主な採用元
オックスフォードコンマありA, B, and CAPA、シカゴスタイル、多くのアメリカの大学
オックスフォードコンマなしA, B and CAP通信、イギリスの報道機関

どちらも文法的に誤りではありませんが、オックスフォードコンマを使うと意味の曖昧さを避けられるケースがあります。

たとえば “I love my parents, Batman and Wonder Woman.” はオックスフォードコンマがないと「私の両親=バットマンとワンダーウーマン」と誤読される可能性がありますが、”I love my parents, Batman, and Wonder Woman.” と書けば3者が別々であることが明確です。

ビジネスや契約書ではどう使い分ける?

ビジネス文書や契約書においては、andとorの選択が法的な解釈に直結するため、日常会話以上に慎重な使い分けが求められます。

契約書で “A and B” と書けば「AとBの両方を満たす必要がある」という意味になり、”A or B” と書けば「AまたはBのいずれかを満たせばよい」という意味に変わります

この違いは権利や義務の範囲を大きく左右するため、andとorの一語の違いが訴訟の争点になった事例も少なくありません。

  • “The tenant shall maintain and repair the property.”(借主は物件を維持し、かつ修繕しなければならない → 両方の義務)
  • “Payment may be made by check or wire transfer.”(小切手または銀行振込で支払うことができる → どちらか一方でよい)
  • “This agreement shall be governed by the laws of New York and California.” と書くと両州の法律が同時に適用される矛盾が生じうる

ビジネスメールや社内文書でも、指示が「全部やってほしい」のか「どれか1つでよい」のかによってandとorを明確に使い分ける意識が大切です。

曖昧さが残る場合は「A and B(both required)」「A or B(either is acceptable)」のように括弧書きで補足すると、認識のずれを防ぎやすくなります

and/orという表記は使っていい?

“and/or” は「AとBの両方、またはどちらか一方」という意味を1語で表す便利な表記ですが、使い方には注意が必要です。

カジュアルなビジネスメールや社内文書では実務的に使われる場面もあるものの、フォーマルな学術論文や法律文書では避けるべきとされることが多い表現でもあります。

“Avoid this Janus-faced term. It can often be replaced by ‘or’ alone, since that word includes the sense of ‘and.'”

※引用元:Bryan A. Garner「Garner’s Modern English Usage」Oxford University Press

“and/or” を使わずに同じ意味を表すには、”A or B or both”(AまたはB、あるいは両方)という言い換えが明確です。

学校のテストや資格試験の英作文では “and/or” は避け、andかorのどちらかを選んで書くのが無難でしょう。

ビジネスの現場でも、相手がフォーマルさを重視する取引先であれば“A, B, or both” と書き換えた方が好印象を与えられます。

「AやB」を英語にするときはandとorどっち?

日本語の「や」は「AやB」のように例示や並列に使われますが、英語に訳すときにandとorのどちらを当てるかは文脈次第です。

「りんごやみかんが好きです」のように複数のものを「どちらも好き」という意味で並べているならandが適切で、「りんごやみかんを持ってきてください」のように「どれか持ってくればよい」なら orが自然な訳になります。

日本語の文意図英訳
りんごやみかんが好きです両方好き(並列)I like apples and oranges.
りんごやみかんを持ってきてどれか1つでよい(選択)Bring apples or oranges.
休日は読書やゲームをしますいくつかの活動を列挙(並列)I read and play games on my days off.

日本語の「や」は並列と選択のどちらにも使えてしまうため、英語に変換するときは「全部を指しているのか、どれか1つを指しているのか」を自分の中で明確にしてからandかorを選ぶ必要があります

迷ったときは、日本語の文を「AもBも」に言い換えて自然ならand、「AかBか」に言い換えて自然ならorと判断する方法が役立ちます。

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