英検準一級とTOEICはどう違う?スコア換算と難易度からわかる選び方

「英検準一級を取るべきか、それともTOEICで高スコアを狙うべきか」目標に合わせて選びたいけれど、両者の違いがいまひとつ見えにくいと感じていないでしょうか。

英検準一級とTOEICはCEFRの基準で見るとおおむね同等のレベルに位置づけられるものの、測定する技能や評価の仕組み、出題テーマには大きな違いがあります

この記事はこんな方におすすめ
  • 英検準一級とTOEICのスコア対応を整理して把握したい人
  • 自分の進路や仕事にどちらの試験が向いているのか判断したい人
  • 両方を視野に入れて学習計画を立てたい人

スコア換算の目安から難易度の比較、目的別の選び方、両方を効率よく対策する方法までを通しで解説していきますので、読み終わる頃には自分に最適な試験を迷わず選べるようになるはずです。

目次

英検準一級はTOEIC785点以上!スコア換算と難易度の結論

英検準一級とTOEICのスコア対応を一言で表すなら、英検準一級の合格レベルはTOEIC L&Rで概ね785点以上に相当します

両者の比較で参考になるのが、欧州共通参照枠であるCEFRの位置づけです。

試験・スコアCEFR上の目安
英検準一級 合格B2
TOEIC L&R 785点〜B2

ただし、これはあくまで同じCEFRレベルに位置づけられるという目安であり、英検準一級に合格した人が必ずTOEIC785点を取れるとは限りません。

両試験は測定する技能や出題形式が違うため、片方の結果だけで他方の力を正確に予測するのは難しいというのが実情です。

このあとのh3では、CEFRに基づくスコア対応の中身と、単純な換算では捉えきれない両試験の性格について順に見ていきます。

CEFRをもとにした英検準一級とTOEICのスコア対応の目安

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)はA1からC2までの6段階で言語熟達度を示す国際的な指標で、日本でも英語資格のレベル比較に広く参照されています。

文部科学省はCEFRと国内主要試験を対応させた資料を公表しており、英検準一級とTOEIC L&Rの目安としては次のように整理できます。

  • 英検準一級合格は、CEFRのB2(中上級)に相当する
  • TOEIC L&Rでは、概ね785点以上がB2の目安として示されている
  • B2は「自分の専門分野の議論を理解し、ネイティブとも自然にやり取りできる」レベルとされる

このことから、英検準一級に合格していればTOEIC785点前後を取れる素地はあると判断できます。

ただし、TOEIC側でB2に該当するスコア帯はおよそ785〜940と幅があり、英検準一級の合格=TOEIC940点を保証するわけではない点には注意が必要です。

単純なスコア換算では測れない両試験の性格

スコア換算の表だけを見ると2つの試験は近い位置にあるように見えますが、実際の難しさやアピールできる英語力には差があります

英検準一級は4技能をすべて測り、合否ではっきりと判定するため、英語を「使える」レベルかどうかを問う性格が強い試験です。

一方TOEICは主にリスニングとリーディングの2技能をスコア化し、点数の伸びを継続的に追える設計になっています。

両者の違いを大まかに整理すると、次のような対比が浮かび上がります。

  • 英検準一級:4技能型、合否制、社会・教育・時事など幅広いトピック
  • TOEIC L&R:2技能型、990点満点のスコア制、ビジネスや日常生活の場面が中心

つまり「同じCEFR B2」というラベルが付いていても、評価される英語力の輪郭が異なるため、進路や仕事の目的に合わせて選ぶ視点が欠かせません

英検準一級とTOEICで測定する英語力の違い

両試験は同じ「英語力を測る試験」と呼ばれていても、評価の対象とする技能や仕組みが大きく異なります。

英検準一級はリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能をすべて取り扱うのに対し、TOEIC L&Rは2技能のスコア化に特化した設計を採用しています。

さらに、出題されるテーマや英語のレジスター(フォーマル度・場面設定)にも明確な違いが見られます。

技能と出題傾向の両面を押さえておくと、自分が伸ばしたい英語力や使いたい場面に合わせて、どちらの試験で学習効果を測ればよいかが判断しやすくなります。

英検準一級は4技能を合否で判定する試験

英検準一級は、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能すべてを問う試験で、合否は技能別のCSEスコアと総合スコアにより決定されます。

ライティングでは社会的なトピックに対する120〜150語程度の英作文と要約問題(2024年度から導入)が出題され、論理的に意見を組み立てる力が求められます

スピーキングは二次試験の面接形式で、ナレーションや受験者自身の意見を述べる質疑応答を通じて評価される仕組みです。

公益財団法人日本英語検定協会は、準一級のレベル目安を次のように説明しています。

大学中級程度。社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。

※引用元:公益財団法人日本英語検定協会「各級の目安」

英語を「読む・聞く・書く・話す」のあらゆる場面で使いこなしたい学習者にとって、自分の現在地を多面的に把握できる設計と言えるでしょう。

TOEICは2技能をスコアで評価する試験

TOEIC Listening & Reading Test(以下TOEIC L&R)は、リスニング495点とリーディング495点の合計990点満点でスコアを算出する試験です。

合否ではなく10点単位のスコアで結果が出るため、現在の英語力をきめ細かく数値化できる点が大きな特徴になっています。

スピーキングとライティングを測りたい場合は、別試験のTOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&W)を受ける必要があります。

評価の仕組みを整理すると、次のようになります。

  • リスニングセクション:写真描写、応答問題、会話、説明文の聞き取りで構成
  • リーディングセクション:短文穴埋め、長文穴埋め、長文読解で構成
  • 採点:合計スコアは10〜990点で、就職や昇進の指標として企業が広く採用

スコアが連続的に変動するためモチベーションを保ちやすく、日々の学習成果を可視化したい社会人や大学生から長く支持されています。

出題されるトピックや英語の傾向の違い

英検準一級とTOEIC L&Rでは、英文に登場するテーマや英語のレジスターが大きく異なります

英検準一級はアカデミックで社会的な題材が中心となり、環境問題、医療、教育、科学技術、文化など、新聞や雑誌の論説に近い英文が並びます。

TOEIC L&Rはビジネスや日常生活を舞台にした英文が大半を占めており、Eメール、社内通達、求人広告、商品レビューなど実務寄りの題材が頻出します。

両試験の出題傾向を比較すると、次のような違いが見えてきます。

観点英検準一級TOEIC L&R
中心トピック社会・教育・環境・科学ビジネス・日常生活
レジスターフォーマル・論説調実務文書中心
求められる語彙抽象語・社会的話題ビジネス・取引の語彙

学術的な英語を伸ばしたい人には英検準一級、職場で使う英語の運用力を磨きたい人にはTOEICと、目的に応じた使い分けが現実的でしょう。

試験形式と当日の流れの比較

英検準一級とTOEIC L&Rは、試験当日の進行や所要時間にも大きな差があります。

英検準一級は一次試験と二次試験の2段階に分かれており、一次に合格した人だけが二次の面接に進めるという順序を取ります。

一方のTOEIC L&Rは1日で完結し、約2時間の試験時間内にリスニングとリーディングを連続して解いていく形式です。

試験形式を理解しておけば、本番で慌てずに自分のペースを保つための準備につなげられます。

一次試験と二次試験に分かれる英検準一級の流れ

英検準一級は、まず一次試験でリーディング・リスニング・ライティングを受験し、合格者だけが後日の二次試験で面接に臨む2段階方式を採用しています。

一次試験の所要時間は筆記90分、リスニング約30分の合計約2時間で、午前または午後の決められた時間帯に集合して実施されます。

二次試験は1人ずつ試験官と対面で行うスピーキングテストで、面接時間は8分程度と短いものの、ナレーションと質疑応答に集中力が要求されます。

当日の流れを大まかに整理すると、次のように進みます。

  • 一次試験当日:受付、筆記試験、休憩を挟んでリスニング、解散
  • 一次試験合格発表:オンラインで成績開示、合格者にのみ二次試験の案内が届く
  • 二次試験当日:受付、面接カードの記入、面接、解散

二次試験まで含めると合否確定までに約2か月かかるため、出願時期から逆算したスケジュール管理が欠かせません。

約2時間で200問を解き切るTOEIC L&Rの流れ

TOEIC L&Rは1日で完結する試験で、リスニング100問とリーディング100問の合計200問を約2時間で解答します。

試験時間内は途中で休憩を取ることができず、リスニングが終わるとすぐにリーディングへ切り替える流れになっています。

そのため、集中力を最後まで保つスタミナと、時間配分を組み立てる力が成績を大きく左右する設計です。

当日のセクション構成と目安時間は以下のとおりです。

スクロールできます
セクション内容問題数時間
ListeningPart 1〜4(写真描写・応答・会話・説明文)100問約45分
ReadingPart 5〜7(短文・長文穴埋め・長文読解)100問75分

リーディングはとくに時間との戦いになりやすく、Part 7の長文を解き切れずに終わってしまう受験者も多く見られます。

模試で時間配分を体に覚えさせる練習が、本番のスコアアップに直結します。

受験料と年間の実施回数の違い

受験料と実施頻度の違いも、試験を選ぶうえで見逃せない要素です。

英検準一級は本会場受験の場合の受験料が1万円前後で、年に3回(第1回・第2回・第3回)の実施が基本となっています。

TOEIC L&Rの公開テストはこれより安価で、年間10回ほど開催されるため、受験のチャンスはTOEICのほうが圧倒的に多くなります

両試験の費用と実施回数の違いを表にすると見通しがつきやすくなります。

項目英検準一級(本会場)TOEIC L&R 公開テスト
受験料の目安1万円前後8,000円弱
年間の実施回数年3回年10回前後
結果通知約1か月後(一次)約2〜3週間後

受験料・実施回数ともに変更されることがあるため、申し込み前には必ず公益財団法人日本英語検定協会と一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

英検準一級とTOEICは結局どっちが難しい?

英検準一級とTOEIC L&Rのどちらが難しいかは、何を「難しさ」と捉えるかによって結論が変わってきます

語彙の専門性や4技能をバランスよく仕上げる必要性で見れば英検準一級が高い壁になりますし、200問を一気に処理するスタミナや時間制約の厳しさで見ればTOEICの難所も無視できません。

学習者の現在地や得意・不得意によっても、感じる難易度は変動します。

3つの観点を並べて検討することで、「自分にとってどちらの試験のほうがハードルが高いのか」を冷静に判断できるようになります。

出題範囲の広さと語彙の専門性から見た難しさ

英検準一級で覚えるべき単語数は約7,500〜9,000語と言われ、社会・科学・歴史・経済など幅広い分野の専門語彙が含まれます。

これに対しTOEIC L&Rで頻出する語彙はおよそ8,000〜10,000語規模ですが、ビジネスシーンに関連する語彙に偏る傾向があり、扱う領域は比較的狭めです。

つまり「英検準一級は広く浅い専門語彙、TOEICは狭く深いビジネス語彙」という違いが浮かび上がります。

抽象語や社会的話題に関連する単語の例を挙げると、それぞれの傾向がよく見えてきます。

  • 英検準一級で頻出:sustainability、bilingual、deficit、controversial、ecosystem
  • TOEIC L&Rで頻出:invoice、reimbursement、agenda、quarterly、shipment

馴染みのない分野の話題に対応する負担の重さで言えば英検準一級、用語の専門度の高さで言えばTOEICと、それぞれに難所が異なります。

解答スピードと時間制限から見た難しさ

時間制限の厳しさという軸では、TOEIC L&Rが特に高い壁として立ちはだかります

リーディングセクションでは75分間で100問を解く必要があり、1問あたりに割ける時間は平均45秒ほどしかありません。

特にPart 7のダブルパッセージやトリプルパッセージは、文章量が多いうえに複数の文書を行き来して情報を照合させる出題が含まれるため、英文を読むスピード自体を底上げする訓練が欠かせない設計です。

英検準一級にも時間との戦いはあるものの、TOEICほどの息切れは起きにくい構成になっています。

両者の時間プレッシャーの違いをまとめると、次のような差が見えてきます。

  • TOEIC L&R Reading:75分で100問、1問あたり約45秒の処理速度が必須
  • 英検準一級 一次筆記:90分の中で読解とライティングの配分を自分で調整できる
  • 解答ペース:TOEICは一定ペースが必要、英検は問題ごとに緩急をつけやすい

スピードに自信がない学習者ほど、TOEICのほうを「難しい」と感じる傾向があります。

合格率と平均スコアから読み取れる壁の高さ

公表データから見ると、英検準一級の合格率はおよそ15〜20%とされ、英検全体の中でも一級・準一級が高難度に位置づけられています。

TOEIC L&Rは合否ではなくスコア制ですが、公開テスト受験者の平均スコアは概ね600点前後で、785点を超える受験者は全体の上位3割程度にとどまる傾向です。

このことから「英検準一級レベル=TOEIC上位陣」という関係が浮かび上がります。

データを比較するときに意識しておきたい前提もいくつかあります。

  • 英検準一級は4技能を一定基準でクリアする必要があり、合格率に技能間バランスが反映される
  • TOEICはスコア分布が回ごとに変動するため、絶対的な「合格率」は存在しない
  • 高校生・大学生の英語上位層と、ビジネス目的の社会人ではTOEICの平均像が異なる

数字だけで難易度を断言するのではなく、自分が属する受験層の中での位置づけから難しさを判断する視点が役立ちます。

目的別おすすめの選び方!英検準一級とTOEICどちらがいい?

どちらの試験を選ぶべきかは、英語力を活用したい場面と目的によって答えが変わってきます

進学・就職・昇進・留学のいずれを視野に入れているかで、評価される試験は大きく異なるためです。

自分の目的を整理しないまま受験対策を始めてしまうと、努力の方向がずれて時間を浪費しかねません。

自分の状況にもっとも近いケースを起点に、優先度の高い試験を選んでみてください。

①大学入試や進学で活用したい中高生

大学入試を視野に入れる中高生にとっては、英検準一級のほうが優先度の高い選択肢になりやすいです。

多くの大学が一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の出願資格や英語のみなし満点に英検のCSEスコアや級を採用しており、準一級は最上位クラスの優遇対象として扱われるからです。

TOEICも一部大学で評価対象になりますが、ビジネス英語中心の試験設計のため、アカデミックな素地を測る指標としては英検のほうが受け入れられやすい傾向があります。

中高生が押さえておきたい活用例には、次のようなものがあります。

  • 英検準一級でみなし満点が認められる大学が多い
  • 総合型選抜の出願資格に準一級を指定する学部・学科が増加傾向
  • 海外大学進学を目指すならIELTSやTOEFL iBTの併用も視野に入れる

中高生のうちに準一級を取得しておくと、入試での優位性に加え、大学入学後の単位認定や留学制度でも追い風になります。

②就職や転職で英語力をアピールしたい大学生や若手社会人

就職活動や若手のうちの転職で英語力を見せたいなら、TOEIC L&Rの取得が現実的な選択になります。

日本の多くの企業がTOEICのスコアを採用基準・配属基準・昇給基準に組み込んでおり、企業側が読み取りやすい指標として定着しているからです。

履歴書に「TOEIC L&R 800点」と書けば、おおよその英語運用レベルを採用担当者にイメージしてもらいやすくなります。

採用シーンでの目安となるスコアの相場感を整理すると、次のような傾向があります。

業界・職種TOEIC L&Rの目安
一般職・事務系600点前後
営業・総合職700〜800点
外資系・グローバル部門800〜900点以上

時間と気力に余裕があれば、英検準一級を併せて取得することで「読み・書き・聞く・話す」のバランスをアピールでき、外資系やグローバル職での評価がより強くなります。

③昇進や海外赴任を狙うビジネスパーソン

社内昇進や海外赴任を視野に入れているビジネスパーソンの場合、TOEIC L&Rのスコアアップを軸に据えるのが王道です。

多くの企業が昇進・海外赴任の要件としてTOEICの最低スコアを設定しており、人事評価の場で具体的な数値が求められるためです。

グローバル人材育成の指標として「TOEIC 730点以上」「800点以上」を一律に課す企業も少なくありません

昇進・赴任を狙う際に意識したい目標水準の例をまとめておきます。

  • 国内グローバル部門への異動:TOEIC L&R 730点以上
  • 海外赴任の最低ライン:TOEIC L&R 800点以上、状況に応じてTOEIC S&Wも要求
  • 駐在後の交渉・プレゼン:英検準一級レベルのスピーキング・ライティング力が実務で必要

スコアだけ伸ばしても現地で英語が口から出てこなければ意味がありません。

赴任が現実的な選択肢に近づいてきた段階で、英検準一級レベルの4技能訓練に切り替えると、即戦力としての英語運用力が身につきやすくなります。

④海外留学やワーキングホリデーを目指す人

海外留学やワーキングホリデーが目的の場合、英検準一級・TOEICのどちらよりも、留学先で要求されるIELTSやTOEFL iBTの優先度が高くなります

それでも、英検準一級は4技能を満遍なく鍛えるトレーニングそのものが留学準備に直結するため、IELTS等への橋渡しとして取得する価値があります

TOEICのみでは留学要件を満たせない国・大学が多い点には注意が必要です。

留学・ワーホリを意識する場合に押さえておきたい指針は以下のとおりです。

  • 英語圏の大学・大学院出願:IELTS Academic 6.0〜7.0、TOEFL iBT 80〜100が目安
  • ワーキングホリデーのビザ申請自体には英語スコア要件がない国が多い
  • 英検準一級レベルの4技能力があれば、現地の語学学校で中上級クラスから始めやすい

留学先での生活や学業を視野に入れるなら、英検準一級の学習で4技能の土台を固めつつ、IELTSやTOEFL iBTの対策に進むルートが効率的です。

英検準一級とTOEICを並行して対策するための勉強プラン

英検準一級とTOEIC L&Rは性格の違いが大きい一方、共通して鍛えられる土台も多く、並行学習が成立する組み合わせです。

リスニングとリーディングの基礎力は両試験で共通して効くうえに、語彙のうち中級レベルまでの単語は重なる部分が少なくありません。

そのため、コアな英語力を集中的に鍛えながら、それぞれ固有の対策を上乗せする2層構造のプランが現実的な進め方になります。

順番に押さえていけば、無駄なく両試験の準備を進められるようになります。

共通して鍛えられるリスニングとリーディングの伸ばし方

英検準一級とTOEIC L&Rは、リスニングとリーディングを軸とした学習を共有できる点が大きな強みです。

両試験ともに、自然な速度で話される英語を聞き取り、長めの英文から要点を読み取る力が中心的に問われるためです。

共通の素材としては英字ニュース、ポッドキャスト、TEDのスピーチなどを活用すると、両試験の素地を効率的に鍛えられます

並行学習で効果を出しやすいトレーニングをいくつか挙げてみましょう。

  • シャドーイング:英検二次試験のスピーキングとTOEICリスニングの双方に効く
  • パラグラフリーディング:英検の長文とTOEIC Part 7の読解時間短縮に直結
  • 多読:語彙の運用範囲を広げ、両試験の正答率底上げにつながる

ニュース系教材で論説的な英文に触れつつ、ビジネス系教材で実務文書に慣れる――この使い分けを意識すると、両試験の出題傾向に同時に対応しやすくなります。

英検準一級だけに必要なライティングとスピーキング対策

ライティングとスピーキングはTOEIC L&Rでは扱わない技能ですが、英検準一級では合否を左右する大きな要素になります。

ライティングでは120〜150語の意見論述に加えて、2024年度から英文要約問題が導入されており、論理的な構成力と要約力の両方が問われる仕組みです。

スピーキングでは、4コマのナレーションや受験者自身の意見を述べる質疑応答が課され、即興で英語を組み立てる訓練が必要になります。

対策の方向性を整理しておくと、学習の手戻りを防ぎやすくなります。

  • ライティング:型を決めて書き、添削サービスで論理構成と語彙運用をチェックする
  • スピーキング:英作文を声に出して練習し、答えを15秒以内で組み立てる癖をつける
  • 共通基盤:時事ニュースで英語の意見表現を蓄積し、頻出トピックに対する自分の立場を準備しておく

TOEIC型の学習だけに偏ると、これらの対策がすっぽり抜けてしまうため、英検準一級を狙うなら早い段階から組み込むのがおすすめです。

TOEICで差がつく時間配分と速読のトレーニング

TOEIC L&Rで800点以上を狙うなら、英語力そのものに加えて時間配分と速読の戦略が大きな分かれ道になります。

特にリーディングの75分は、Part 5・6・7にどれだけの時間を割り当てるかで最終スコアが大きく変動するからです。

英検対策の延長で文章をじっくり読むスタイルのままだと、Part 7に到達できずに時間切れになりかねません

リーディングセクションで意識したい時間配分とトレーニングの目安は以下のように整理できます。

Part推奨ペーストレーニング
Part 51問20秒文法・語彙の即答練習
Part 61問25〜30秒文脈把握スピード強化
Part 71セット8〜10分模試演習で時間感覚を体得

速読を磨くには、英文を頭の中で日本語に訳さず英語のまま意味を取る「直読直解」の習慣化が欠かせません。

公式問題集を本番形式で解きながら、時計を見て自分のペースを微調整するのがスコアアップへの近道です。

目標達成までに必要な勉強時間と語彙数の目安

英検準一級とTOEIC L&Rの目標達成に必要な勉強時間や語彙数は、現在地によって大きく変動します。

おおまかな目安として、TOEIC L&Rは100点アップにつき200〜300時間、英検準一級合格までには約500〜1,000時間の学習が必要だと言われています。

語彙については、両試験とも「中高で習う4,000〜5,000語+上級語彙」を目安にすると射程に入ります。

学習計画を立てる際の指標をまとめると、次のような数値感になります。

  • 英検準一級合格に必要な語彙数:7,500〜9,000語
  • TOEIC L&R 800点に必要な語彙数:8,000〜10,000語
  • 英検準一級+TOEIC 800点を半年で狙うなら、平均1日2〜3時間の学習量
  • 1年単位で仕上げる場合は、平日1〜1.5時間、土日に2〜3時間の積み上げ

数字はあくまで平均値なので、模試で現在のレベルを測ったうえで、不足分を逆算する形で計画を組むのが現実的でしょう。

英検準一級合格者とTOEIC高得点者が逆方向に挑むときの注意点

英検準一級に合格した人がTOEIC L&Rの高得点を狙うとき、あるいはTOEIC高得点者が英検準一級に挑むときには、それぞれ陥りがちな落とし穴があります

スコア対応の表だけを見て「自分は当然ここまで取れるはず」と思い込むと、本番で想定外の点数になって驚くケースが少なくありません。

試験の性格が違う以上、片方の経験をそのまま持ち込むのではなく、足りない要素をピンポイントで補強する姿勢が必要になります。

このセクションで扱うポイント
  • 英検準一級に受かった人がTOEICで点を伸ばすときの観点
  • TOEIC高得点者が英検準一級で苦戦しやすいポイント

両側のリスクを知っておけば、もう一方の試験を受けるときに準備不足で焦らずに済みます。

英検準一級に受かった人がTOEICで点を伸ばすコツ

英検準一級に合格した人は、リーディングとリスニングの基礎力が十分備わっているため、TOEIC対策は「形式慣れ」と「処理スピード」に集中する形が効率的です。

英検で出てくる論説的な英文に慣れていても、TOEICで頻出するEメールやインボイス、求人広告などビジネス文書の語彙・表現には別途の慣れが必要になります。

英文を一度日本語に置き換えて理解する読み方では、リーディング75分の壁を越えにくいのもポイントです。

英検合格者がTOEICで伸び悩まないために意識したい工夫を挙げます。

  • ビジネス語彙(invoice、agenda、reimbursementなど)の集中インプット
  • TOEIC公式問題集を時間を計って解き、解答ペースを身体化する
  • 自分なりの解答順を確立し、模試で再現できるようにする

英語力そのものはあるはずなので、出題形式と時間配分の最適化に絞った訓練を1〜2か月行えば、想定スコアに近づきやすくなります。

TOEIC800点を持つ人が英検準一級に挑むときの落とし穴

TOEIC L&R 800点を取得しているからといって、英検準一級に必ず合格できるわけではありません

最大の落とし穴は、ライティングとスピーキングという「アウトプット2技能」が問われる点で、TOEIC L&Rではこの部分の対策ができていないからです。

さらに、英検準一級の語彙には抽象的・社会的なテーマの単語が多く含まれており、ビジネス語彙中心のTOEIC対策では補いきれない領域も生じます。

TOEIC高得点者が英検準一級でつまずきやすいポイントを整理しておきましょう。

  • ライティング:120〜150語の意見論述や英文要約に時間内で対応する型を持っていない
  • スピーキング:二次試験のナレーション・質疑応答に英語で即応する練習が不足
  • 抽象的な語彙:ecosystem、democracy、controversialなど、TOEIC頻出語と毛色の違う語の知識が薄い

リスニング・リーディングは流用できる部分が大きいので、ライティングとスピーキングの集中対策に時間を割く戦略が、スコアと合格に直結します。

英検準一級とTOEICの学習に役立つ教材とサービスの選び方

英検準一級とTOEIC L&Rは公式教材と市販参考書のラインナップが豊富で、選び方次第で学習効率が大きく変わります

公式教材で出題傾向と難易度を体に馴染ませ、市販参考書で弱点を補強し、必要に応じてオンライン英会話やコーチングで4技能を鍛えるという流れが基本形です。

教材を増やしすぎると消化不良になりやすいため、目的別に絞り込んで使うのがポイントになります。

教材ごとの役割を理解しておくと、自分に必要な組み合わせを最短ルートで見つけられます。

公益財団法人日本英語検定協会の公式問題集と過去問の活用法

英検準一級対策で最初に手を取るべき教材は、公益財団法人日本英語検定協会が出版している公式問題集と過去問題集です。

過去問は試験の出題傾向と難易度をそのまま体験できる教材で、本番形式の演習を通じて時間配分や得意・不得意セクションの把握に役立ちます。

英検協会の公式サイトには直近の試験の問題と解答が公開されているため、まずは無料で解ける過去問から手をつけて自分の現在地を測るのが効率的なスタートになります。

過去問・公式問題集を使うときに意識したい活用ポイントは以下の3点です。

  • 1回目は時間を計らずに解き、出題形式と難易度を体感する
  • 2回目は本番と同じ時間配分で解き、解ける問題を確実に取り切るリズムを掴む
  • 間違えた問題の語彙・文法・背景知識をノートにまとめて反復する

このサイクルを直近数回分の試験で回すだけでも、合格に必要な実戦力が大きく底上げされます。

TOEICのスコアアップに使われる定番の参考書

TOEIC L&Rのスコアアップ対策では、TOEIC運営団体が監修する公式問題集を中心に据えるのが王道です。

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が刊行する『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』シリーズは、本番と同じETS制作の問題が収録されており、出題傾向と難易度をもっとも忠実に再現しています。

これに加え、Part別の弱点補強用の参考書を併用すると、効率的にスコアを引き上げられます。

スコア帯別に、選ばれやすい定番参考書のジャンルを整理しておきましょう。

  • 600点まで:頻出単語帳とPart 5の文法ドリル
  • 730点台:公式問題集の周回演習と長文読解の精読本
  • 800点以上:Part 7のダブル・トリプルパッセージ特化教材とシャドーイング素材

参考書を何冊も手に取るよりも、公式問題集を最低3〜5回解き直し、間違えた箇所を徹底的に潰すほうがスコアアップへの近道になりやすいです。

4技能を伸ばすオンライン英会話と英語コーチングの活かし方

英検準一級のスピーキング対策やTOEIC高得点者の運用力強化には、オンライン英会話と英語コーチングの活用が効果的です。

オンライン英会話は1回25分前後・月数千円から始められるサービスが多く、外国人講師を相手にスピーキングの実戦経験を積み上げられます

英語コーチングは料金帯が高めですが、専属コーチが学習計画・進捗管理・弱点分析まで一貫してサポートしてくれるのが強みです。

それぞれのサービスの強みと向いている学習者を整理してみましょう。

サービス強み向いている人
オンライン英会話低価格で多回数の発話機会自走できる学習者・英会話実戦が必要な人
英語コーチング学習設計と伴走による短期集中独学に挫折経験がある人・短期で結果を出したい人

英検準一級の二次対策に特化したコースや、TOEICスコアアップ専門のコーチングプログラムも増えています。

自分の目的・予算・学習習慣を踏まえ、サービス内容を比較したうえで選ぶのが賢明です。

目次